夫源病:妻の病気の9割は夫がつくるという考え方

石蔵文信という医師をご存じでしょうか?

石蔵先生はストレス・うつ・更年期障害など、自律神経の症状に関して多くの本を出版しています。

その中に興味深いタイトルの本があります。

それは『夫源病:こんなアタシに誰がした』という本です。

これは女性の自律神経失調症について深く考察された本なので、今回はこの本の文章を抜粋しながら、女性の自律神経の問題についてお話をしていこうと思います。

目次

夫源病とは

夫源病というのは実際にある病名ではなく石蔵先生が生み出した言葉です。その名の通り「夫が源(原因)の病気」のことを指します。

この病気のことを、先生は以下のように説明しています。

夫のなにげない言葉に対する不平や不満、あるいは夫の存在そのものが強いストレスとなり、妻の心身にめまい、動悸、頭痛、不眠・・・・・といった症状が現れる病気のことです。

症状だけを見れば、40~60代に起こりやすい不定愁訴である更年期障害にも似ています。

ここで例に挙げられている症状を見ると、典型的な自律神経失調症ですよね。

夫源病の実例

石蔵先生は先に挙げた著作の中で、様々な実例を紹介してくれています。その一つをご紹介します。

結婚25年目のAさん(50歳)の事例

Aさんの夫は自営で建築関係の仕事をしていた。ところが、不況のあおりを受けて数年前から受注が激減した。

その結果、夫は週に2~3日は仕事が入らず自宅で終日待機するようになり、仕事がない日の夫は、Aさんの行動をいちいちチェックし、チクチクと嫌みを言うようになっていった。

嫌味の例

Aさんが外出しようとすると「どこかにお出かけですか」「昼飯くらい用意して行けよ」と一言。

家の中が少しでも散らかっていると、「1日中家にいるのに、どうして片づいていないんだ」と家事にクレームをつける

そんな日々が続くうちに、Aさんの体調にも異変が現れるようになった。

突然、体に激痛が走ったり、動悸やめまいが頻繁に起こったりするようになった。

それから様々な経緯があるのですが、最後にはうつ状態にあった夫の治療と並行して、Aさんのカウンセリングや治療も行ったところ、体の痛みや動悸、めまいといった症状は、あっという間に治ったとのことでした。

当院であった事例

実はこのような事例が当院でもありました。

以前当院に60代の女性がめまいの症状で来院されました。

何件も病院に行かれ検査をしてもどこにも異常がなく、お薬を飲まれても一向に症状が改善されず当院に来院されました。

めまいのためご自分では車の運転が不安なため、ご主人と一緒に通われていました。

自律神経の施術と、お話をしながら通院となりました。(お話をして下さることが大切)

ご主人は、にこやかで感じの良い方でした。数年前に退職をされてほぼ家に居るようになったそうです。

仕事に真面目だったそうで、とくに趣味もなく付き合いも少なかったそうです。

何度か通われ少しずつ良くなられていました。

ある日、奥様お一人で来院された時、スッキリとした表情でした。その時の奥様の第一声が「体調不良がわかった!」でした。

ご主人がいない方が楽だった

その日は、ご主人が以前の職場からお仕事の依頼がありしばらく会社に行くことになったそうです。

一人で車を運転して来られ、“楽”なことに気が付いたそうです。

ご主人は定年を迎えるまで仕事をされ、真面目で休まず仕事に行かれていたそうです。

奥様は、専業主婦。朝ご主人を送り出してから1日中自由に時間をすごされていたのですが、ご主人が定年後、奥様が買い物に出かけようとすると、「一緒に車に乗せていってやる」と言われたそうです。

初めのころはご主人が気をつかっていると思い、乗せてくれて助かると思っていたそうですが、一緒にショッピングモールに行き食料品の買い物が終わると、ご主人が「買い物が終わったからもう帰るぞ」と、言うそうです。

そこからそんな日々が続いたとのことでした。

自由がなくなってしまっていた

実を言うと、以前の奥様は食料品の買い物が済むと、「さ~ここから、ウインドウショッピングだ」これが楽しみだったのですが、ご主人が定年後一緒にお買い物に行くようになってから、その楽しみがなくなってしまいました。

自由がなくなってしまった、自由に時間を使えていたのに束縛される。

このことが、奥様には凄いストレスになっていたようです。

それからは奥様はお出かけになる時には、ご主人からの「乗せてやる」の言葉には乗らず、一人で出かけるようになってからは、めまいの症状が全く消えてしまいました。

まとめ

多くの女性の方は、仕事をし、家事をし、子育てをされています。

それでも時間が足りず、自分の睡眠時間を削りなんとかしようと頑張っていたのに、「それは当たり前だろう。」と思っている夫は心無い言葉をかけています。

それによって奥様は肉体的・精神的ストレスがかかり続け症状を発症している場合がとても多いと感じています。

女性男性ともにこのことに気づけると良い関係が築けるのですが、それがなかなか難しいのでしょう。

そんな時1人で悩んでいても、何が原因が気づけないこともあるでしょう。

ぜひお気軽に当院にご相談ください。お話しながら症状の改善を目指していきましょう。

今回は夫源病のご紹介でしたが、夫源病による自律神経バランスの乱れは、当院の整体である程度安定させることが出来ると思います。

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